shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

読書を楽しもう - 息抜きのおともに

また音楽書たくさん購入しました。これ見た後にCDレコード屋に行くのが本当に楽しい。今回もまたまた本の紹介です!!

 

 

『アンビエント・ミュージック1969-2009』三田 格・STUDIO VOICE

アンビエント(環境音楽)のディスクガイド本。本書はブライアン・イーノの提唱によって1978年から始まったアンビエントの歴史を3つに分けて紹介してくれます。

「アンビエント」このジャンルもよく耳にする言葉ではないですよね。テクノ、ハウス、サイケなどもアンビエントと密接。派生ジャンルとして、

バイオミュージック、チルアウト、ダウンビート、EMD(インテリジェントダンスミュージック)、ニューエイジ、ポストロック、トランス、トリップポップなども挙げられ、ブライアン・イーノの1978年の『Music For Airport』~1982年『On Land』までのアルバム4枚分がジャンルとしてはとてもわかりやすいと思います。ルーツも含めた550枚のディスク紹介と情報量はこの本だけじゃないかなと。ぼくはドゥームメタルのsunOのコーナーが好き。全編を通して少し小難しい内容ですがアンビエントを更に深堀できる凄いガイドブックとなっています。

 

  1. 『Ambient 1: Music for Airports』(1978年)

     

  2. 『Fourth World, Vol. 1: Possible Musics』(1980年)

     

  3. 『Ambient 2: The Plateaux of Mirror』(1980年)

     

  4. 『Ambient 4:On Land』(1982年)

 

 

『裏アンビエント・ミュージック1960-2010』三田 格

前述の続編になります。こちらもなかなかのボリューム。細野晴臣、横尾忠則の『COCHIN MOON(コチンの月)』や冒頭のクラスターのインタビュー、秋田昌美さんのメルツバウの紹介、ブラックメタルバンド バーズムの紹介も興味深く、とてもおもしろいと思います。比較的前作よりも見やすい感じがします。こちらも少し前の本になるので書店で見つけるのは難しいかもしれないです。レビューで気に入った、気になったアーティストをチェックしてYouTubeで観てみるのもよし、CD屋さんへ行くのもよし。とてもマニアックな本です。

 

 

『別冊ele-king いま家で音楽を聴くこと──コロナ時代の音盤選び』ele-king編集部

2020年、パンデミックの渦中、音楽に対する考え方や感じ方、向き合い方を小山田圭吾(コーネリアス)、EYヨ(ボアダムス)、デリック・メイなどがインタビューで語ってくれています。他にもジム・オルークおすすめ10枚とかおもしろい内容。コロナ禍での心境の変化で手に取る音楽が変わったり自宅でゆっくり音楽を聴く時間が増えたこと、ホームリスニングの楽しさも伝わってくる内容。皆さんは家でどう過ごしていましたか?ぼくはひたすら読書と普段じっくり聴けていなかったCDとか集中して聴いていました。夜更かし→昼頃起きるというダメ習慣がついてしまい、仕事が始まってからはだいぶキツかったな・・ともかくホームリスニングのための音楽書。フォトやディスクレビューなどたくさんちりばめられていてオシャレなアートブックみたいな雰囲気の1冊です。

 

ele-king vol.24 特集 オルタナティヴ日本 !』ele-king編集部

ele-kingから出版しているシリーズは大好きなものが多いです!!今回の「オルタナティヴ日本」のとがったランキングがとても同意できて内容も GOOD。ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんのインタビューもあり、洋楽しか聴かないよ、という人とか最近のJ-POPは、とか思っている人にこそ見てほしい特集。ランキングの1~3位はとても納得。そしてぼくの大好きな友川かずきさんもランキングに入ってたのがびっくり。さすがのチョイス。日本にだって海外を上回る凄まじいアーティストがいるんだという再認識をさせてくれる号になっています。

 

『別冊ele-king ポストロック・バトルフィールド 「以後」と「音響」の文化誌』松村正人

とても専門的なポストロックについての書になります。ポストロックを代表するようなバンドからルーツ的なもの、その影響にあるアーティストまで網羅しています。優秀なディスクガイドとしても十分に役立ちます。バトルスのメンバーのインタビューや日本のポストロックバンド、にせんねん問題の対話なども楽しめます。個人的にはマイス・パレード、アルバム・リーフが好きなので、彼らのことについての文章もあるのでとてもうれしい1冊です。このele-kingっていう雑誌はちょっととがっている感じと専門的な特集が多く、内容もいつも濃いのでついつい新刊が出ると買ってしまいます。大好き。

 

『別冊ele-king ブラック・パワーに捧ぐ』ele-king編集部

昨年2020年コロナ禍、アメリカトランプ政権の下、Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター:BLM)」と呼ばれる根深い人種差別行為が大問題になりました。この本の冒頭のフォトは2020年7月4日に行われた抗議デモの様子です。そしてすぐ次のページ、フィラデルフィアでの1970年のデモ。この問題の根深い歴史がたった2枚の写真から伝わってきます。この本はこういったヘイト的なことを含めたブラックカルチャーにまつわる書籍。音楽と並行し、たくさんのメッセージが読み取れます。ものすごく音楽性と政治性が強い作品。