shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

FIRST DOWN(ファーストダウン)|ブランド紹介

f:id:sigasiga:20220301003515j:plainwww.firstdown-official.com

今回はファーストダウンについて!!
不穏な街のアウトドアブランドがスタートしたのは1983年。
アメリカニューヨーク州にて韓国系移民だった創業者YOUNG IN CHUNGによって設立されます。
80年代のニューヨークは世界でも有数の犯罪多発地域都市で当時は陰鬱なムードと緊張感が立ち込めていました。
お世辞にもいい環境とは言えない状況下でも人々からは強いパワーが感じられ、アートや音楽などのストリートカルチャーが隆盛を迎えていた、そんな時代に生まれたのがこのブランド、ファーストダウンになります。
アクティブなシーンにおいて、羽毛がみっちりと詰まったアウターは厳しい環境に最適なアイテムとなりました。

創業者YOUNG IN CHUNG

彼はポケットに$100だけ握りしめ、野心メラメラでニューヨークにたった一人で降り立ちます。
構想を練り、ニュージャージーでファーストダウンを1983年に立ち上げます。
ちなみにブランド名のファーストダウン「ダウンジャケットでナンバーワンになる」という志とアメフトの「ファーストダウン」をかけたもの。
彼はキャッチフレーズに”Dream It.Be It."を掲げてさらに商品開発に励みます。

なぜニューヨークだったのか?

当時のニューヨークは治安も悪く不安定なのも確かでしたが、一方ではこの頃すでにビジネスとファッションの中心地となっていて、人々の間では「ここで成功できれば世界のどこでも成功できる」と信じられていました。彼がニューヨークを選んだ一番の理由もここにありました。
アメリカンドリームを絵に描いたような背景のあるブランドです。

90年代カルチャーとのリンク

質の高さは折り紙付、
そして都会的で前提的なデザイン。
創業当時からずっと展開しているバブルジャケットに人気の火がつきます。

オーセンティックなデザインはヒップホップアーティストのノトーリアスB.I.G.やマイケル・ジャクソンにも愛され、ボデガ・バムズの歌詞の中に”93 with the First Down bubble” 『NAVY』とラップしているのもとても有名。
昔のスケートボードの映像なんかにもスケーターが着用しているのを見た記憶があります。
ニューヨークカルチャーとデザインがしっかりブレンドされているメーカーだと感じます。

気になるお値段

ヒストリーをざっと理解した上で、なんでこんなかっこいいブランドがデパートの紳士コーナーや某量販店で比較的低プライスで売られているのかという疑問と、一方でセレクトショップでも展開され、なかなかのアッパープライスで売られているというこの謎が必ず出てくると思います。
はっきり言ってしまえば、ライセンス商品だということ。
量販店やスーパーなんかで見かけることが多くなり、安くてダサいイメージがある方が多いのかも。

時代も移り変わり、ファッションの傾向や値頃感も変わって(ファストプライスのお店の台頭とか…)どこにでも卸しすぎて本当の価値が下がったのが理由かなと思います。
2018年以降、ファーストダウンを取り扱う株式会社水甚がこの現状を変え、セレクトショップでの展開や百貨店に向けた高級ラインを展開し始めていて徐々に昔のイメージから変わってきていると思います。
みんなが見ている高いファーストダウンはこっちなんですね。