shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

90’sグランジ・オルタナティブと呼ばれたバンドと名盤10選 -3

またこのシリーズ…。
それでは1枚目から。

①Melvins(メルヴィンズ)- 『Lysol(aka Melvins)』

カート・コバーンも敬愛していたシアトルのバンド。サウンドはブラック・サバスとブラック・フラッグを煮込んだ毒気のある激烈なサウンドと言われることが多いんだけど、まさにその通りのヘヴィで極悪極まりないサウンド。このアルバムは1992年発売、、1曲のみの収録で31分という長尺。スラッジ/ドゥ-ムリフが全編を占め、とにかくスロー。そしてものすごいヘヴィネス。これを発売したBoner Recordsもすごいです。スピード感やスクリームだけが激しい音ではないし、むしろこっちの方がぶっ飛んでるかも。地を這うようなヴォーカルスタイルも◎!!

▶︎ Melvins - Lysol [Full Album] - YouTube

②Texas Is the Reason(テキサス・イズ・ザ・リーズン) - 『Do You Know Who You Are?』

彼らが後世に残したエモシーンへの影響はものすごく大きいと思います。エモクラシックをあげると必ず入ってくる名盤でエモコアの先駆け的な作品でもあります。全編ミドルテンポでギャレット・クランのヴォーカルもとても表現豊か。今作は1996年にハードコアの名門レーベルであるレベレーションレコーズからのリリースになります。メンバーは元々、シェルター、108といった激ハードコアバンド出身者でプロデュースはジェイ・ロビンス。彼らはシングル(3曲入り)とこのアルバムが唯一作。エモ、インディロック好きにおすすめです!!

▶︎ Texas is the Reason - Do you know who you are (1996) Full album - YouTube

③Lagwagon(ラグワゴン)- 『Let's Talk About Feelings』

ジャンルで言うとメロコア。スノーボードのDVDやVHSなんかにも曲がたくさん使用されたりしていて、スピード感とメロディアスな曲が彼らの特徴。NOFXのファット・マイクのレーベル、FAT WRECK CHORDSからのリリースです。個人的に大好きな曲は11曲目「May 16」。このバンドは今回紹介させてもらっているジャンルにはほとんど取り上げられることがなく、「メロコアかよ」と思う人も多いかもしれないですが、このアルバムはパンク・オルタナ性をしっかり踏襲しているし、メロコア自体がオルタナティブだと思うので思い切ってこの1枚を選びました。ジャケットのセンスも抜群。おばあちゃんなのかな…?1998年作。

④HELMET(ヘルメット)- 『Meantime』

サウンドはかなりヘヴィでメタリックです。このバンドのペイジ・ハミルトン(Vo)は元々ジャズ畑出身ということもあり、ジャズの要素も取り入れています。重く、そして緻密な音は今聴いてもとてもかっこよくて新鮮。ドラムのジョン・スタニエは現在バトルスというポストロックバンドで活躍しています。この高次元な曲たちは確かにポストロックとの親和性が高いと思わせてくれます。この作品は1992年作でInterscope Recordsというレーベルからのドロップです。ちなみに前作『Strap It On(1990)』『Born Annoying(1995)』の両作も聞き応えがあるのでぜひ試してみてくださいね。僕が初めてきいたときはまだ高校生の時で大して耳も肥えていなかったにも関わらず、あまりのかっこよさに鳥肌がたったのを記憶しています。とてもいいアルバム。

⑤ Elliott(エリオット)- 『Us Songs』

ケンタッキー州ルイビル出身のエモバンドでレヴェレーション・レコードからの1stアルバム。センス・フィールドやジミー・イート・ワールドが好きな人にもおすすめ。どこかノスタルジックでボーカルも優しげ。インスト曲を含むとてもエモーティブなハードコアバンド。ミドルテンポな曲も多く、とても聴きやすい1枚です。元FALLING FORWARDというバンドのメンバーによるバンドでデビュー前から注目されていて、1stは期待を裏切らない最高の出来です!!Texas Is the Reasonとのサウンドの共通点も多いかも。ジャケットもよし!

▶︎ Elliott - U.S. Songs - YouTube

⑥Weezer(ウィーザー)- 『Pinkerton』

1996年発売の2ndアルバム。1stアルバムの『Weezer』があまりにも有名なので『Pinkerton』はやや影が薄い印象を受けるんですが、個人的にはこっちが好き。前作よりラウドでハードな仕上がりで全編を通して暗い雰囲気。リヴァース・クオモ(Vo.G.)のパーソナルな部分も全面に出ていてものすごくかっこいい1枚。特に、7曲目「El Scorcho」がお気に入りかな。ちなみにジャケットのアートワークは歌川広重の浮世絵でリヴァースの奥さんは日本人というのも有名です。闇落ちしたパワーポップという感じです。大名盤!!

⑦Superchunk(スーパーチャンク)- 『NO POCKY FOR KITTY』

マック・マコーン(Vo.G.)とローラ・バランス(B.)によって1989年に結成。ノースキャロライナ州チャペルヒルのバンドです。この作品はプロデューサーにスティーヴ・アルビニを迎え自宅のスタジオで3日間で完成させたもの。勢いがそのまま伝わってくる迫真の演奏です。当時のグランジムーブメントの中では突き抜けてポップでパンキッシュなバンドでした。これを嫌いな人はいないはずだ!!と思いたい1枚。1991年作でアメリカのインディーレーベル、MERGE RECORDSからドロップされています。当時はポストニルヴァーナ的な注目も集めていたらしいですよ。

⑧Jane's Addiction(ジェーンズ・アディクション)- 『NOTHING'S SHOCKING』

大名盤。中心人物のペリー・ファレルはロラパルーザの主催者として有名。他にもアートも手がけるマルチな才能を持ったカリスマ的存在でした。サウンドの方は1980年代後期から盛り上がりを見せたミクスチャーロックスタイル。この時代の他のバンドに比べ、かなりサイケ感とファンク色が強いという印象です。のちにレッド・ホット・チリ・ペッパーズに加入するデイヴ・ナヴァロも在籍し、彼のメタリックなギターを軸としたスタイルは当時「メタルファンク」とも呼ばれていたそうです。スピード、ハード推しの曲だけではなくてミドルナンバーもおすすめ。好きな曲だと「Jane Says」。アメリカからしか出て来なそうなバンドです!!ちなみにデイヴ・ナヴァロはソロ活動もしていますし、ペリー・ファレルもソロ名義での活動としてPorno for Pyros(ポルノ・フォー・パイロス)というサイケデリックサイドに焦点を当てたバンドでの活動もおもしろいです。こちらもチェックしてみてくださいね!!

⑨Unwritten Law(アンリトゥン・ロー) - 『Oz Factor』

1996年のメジャー1stアルバムでサンディエゴのメロディックパンクバンド。プロデュースはグレッグ・グラフィン。彼はバッド・レリジョンのメンバーで音の方は単純明快、シンプルでわかりやすくノリよく突っ走りやすい曲を作るのが特徴。サーフィンムーヴィーの『Good Time』という作品の中でこのアルバム1曲目の「Superman」がケリー・スレーターのパートで使用されていて、僕が初めて聴いたのはその時。バッド・レリジョンやグリーン・デイが好きな人は必ずしっくりくるハズ!!グランジ・ムーブメントより後のバンドですが、とにかくかっこいいバンド。ぜひ!!

⑩The Great Unraveling(グレート・アンラベリング)- 『The Great Unraveling』

ポストハードコアバンドの”Universal Order of ArmageddonWikipedia site:djanimateurfinistere.com”、”Moss Icon"、”Born Against”、”The Convocation”などの中心人物トニー・ジョイのポストパンクバンドによる、たぶん唯一作。1995〜1997年と短い活動ですが、トニー・ジョイの携わっているバンドは全てかっこよし。マイナー中のマイナーですが、90’sサンディエゴの地下シーンが好きな方はビビッとくるかもしれないですね…。こちらもグランジムーブメントより後ですが、聴かないのはもったいない!!完全に埋もれているけど、とてもクール。

最後に

グランジ元年と言われる1991年とその前後・近辺のバンドを紹介させてもらっているのですが、久しぶりに調べたり聴いたりしていると紹介しきれないくらいいいバンドやアーティストがたくさんいる事を再確認。マイナーなバンドも取り上げたりしているのですが、サブスクにしっかり上がっているし、探せばわりと簡単に手に入りやすいものを中心にレビューしています。
次回はこの時期に活躍していた日本のバンドもいくつか混ぜて紹介していこうと思います。
また次回!!