shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

90’s グランジ・オルタナティブと呼ばれたバンドと名盤10選 -4

前々回に次いで同企画!!今回も音楽シリーズです。今回からは同時期に活躍していた日本のバンドに触れていきます。日本の90'sロック編!!

①BOREDOMS(ボアダムス)- 『Soul Discharge』

ロラパルーザの出演やニルヴァーナの全米ツアーのオープニングアクトを務めたりと海外での活動がメインでソニック・ユースのキム・ゴードンやオルタナバンド勢とのつながりも強い。

多分日本最強のバンド(勝手に思っているだけ…)。

1986年に結成されたオルタナティブバンドで山塚EYE(アイ)が中心となり活動。『Soul Discharge』は彼の1stアルバムでニューヨークのShimmy-Discからのリリースです。
サウンドはかなり実験性が高く、とにかく凶悪でスピーディー。クレイジーなバンド。1990年代はボアダムスがとにかく熱い時期なのでぜひぜひぜひ聴いてみてください。ちなみにShimmy-Discからルインズというエクスペリメンタルバンドも作品を出しています。ボアダムスもルインズも日本より海外での知名度が高いとされるバンドたちです!!

▶︎ Boredoms - Soul Discharge (1989 vinyl) (with download) - YouTube

②BOREDOMS(ボアダムス) - 『Chocolate Synthesizer』

1994年の作品。より一層狂った感じです。凄まじいスピードとパワーで全編あっという間に聴いてしまう1枚。ノイジーでスカム。アートワークも独特。EYEのセンスがこの1枚に詰まっている感じ。サウンドを聴くと少し難解に思われる方もいるかもしれませんが何度も聴いているうちにどんどんハマってくるスルメ盤のような作品でもあります。本当に日本のロックバンドなのかと思うほどのかっこよさ。

▶︎ Boredoms-Chocolate Synthesizer (1994) - YouTube

③John Zorn(ジョン・ゾーン)- 『Naked City』

ジョン・ゾーンは海外アーティストですが、前衛音楽家の彼の作品でボアダムスのEYEがゲストボーカルとして度々参加しているので、その作品の中の一つ、『Naked City』を紹介しようと思います。

サウンドはジャズ、インプロビゼーションが色濃く、ジョン・ゾーンの狂ったアルトサックスにギター、ベース、ドラム、キーボードがついていく感じ。ジャズスタイルなんだけどかなりロックっぽい雰囲気もあり、中盤のグラインドコア系のトラックではボアダムスのEYEがボーカルとして参加し、ジャケットには漫画家の丸尾末広さんデザインはサディスティック・ミカ・バンドやイエロー・マジック・オーケストラの高橋幸宏さんも参加。日本人アーティストも大勢携わっているアルバムなんです!!1990年作の隠れ名盤です。山塚EY関連ということで入れてみました。

▶︎ John Zorn & Naked City with Eye - NYC live - YouTube

④FREE KITTEN(フリー・キトゥン)- 『Nice Ass』

こちらもボアダムス関連ということで。
1994年、キル・ロックスターズからのリリース。元プッシー・ガロアのジュリィ・カフリッツ、ボアダムスのヨシミ、ペイヴメントのマーク・イボルドの4人からなるバンドです。ジュリィとキム・ゴードンはX-girlで有名ですよね。

▼過去の記事でも紹介しているので見てみてくださいね! www.lentlent.com

サウンドはジャンク風味でアングラなパンクロックといった感じです。彼女たちの作品の中だと個人的にはこのアルバムが一番やさぐれ感があって好き。

⑤BUCK-TICK(バクチク)-『darker than darkness』

1993年発表のバクチクの8枚目。ヴィジュアル系?と思う人も多いと思いますが、そのイメージで活動していたのは初期のみ。6枚目の『狂った太陽』以降は前作品からはイメージもつかないくらい実験性も高く、ポジパンテイストも含みつつダークなサウンドをアップデートし続けています。この『darker than darkness』はナイン・インチ・ネイルズに影響を受けたのか、トラック終了後ずっと無音のトラックが続き、93曲目にアルバム表題曲がかかるという手法をとっていて、トレントレズナーの影響は多少なりともあるのではないかと勝手に思っています。ジャケットのアートワークも不気味。グランジ、アメリカンオルタナティブ系サウンドと共鳴しているような感じも伺えます。好きな曲は2曲目「Deep Slow」、5曲目「神風」、93曲目「D・T・D (表題曲)」。どれもかっこよし!!暗闇を音にしたようなアルバム。

⑥THE MAD CAPSULE MARKETS(ザ・マッド・カプセル・マーケッツ)- 『MIX-ISM』

グランジ以降の1990年代を代表する日本のロックバンドだと思います!!彼らの作品は全部いいのでどれにするか悩んだんですが、今回は『MIX-ISM』。

バンド後期のデジタルゴリゴリスタイルもかっこいいのですが、『MIX-ISM』はそうなるちょっと前くらいのアルバム。どことなくレイジの1stアルバムに似ていると思っているのは僕だけか…。少しポリティカルでミクスチャースタイル。レイジよりはストレートなロック。KYONOのボーカルもやさぐれ感ががありかっこよし!!こんなバンドはもう出てこないかもしれないですね。

⑦BLOODY IMITATION SOCIETY(ブラッディ・イミテーション・ソサエティ)- 『SCREAMIN' NO METHOD』

1990年にTHE MAD CAPSULE MARKETSを結成する室姫 深(むろひめ しん。BLOODY IMITATION SOCIETYでは児島 実名義)のバンド。彼はデランジェというバンドのKYOのソロプロジェクト・DIE IN CRIES(ダイ・イン・クライズ)にも加入していて、このバンドは現ラルクアンシエルのYUKIHIROも在籍していたバンドでもあります!!DIE IN CRIESと並行して発足したのが今回紹介するBLOODY IMITATION SOCIETY。サウンドはマッドカプセル譲りのミクスチャー的な感じ。こっちの方がよりファンキーな印象。縦ノリ全開、少ししゃがれ気味のボーカルもかっこよし。ストリート色の強いミクスチャーハードコアでジャケットからしてゴリゴリ感が伝わってきます!!おすすめ盤!!

⑧COCOBAT(ココバット)-『RETURN OF GRASSHOPPER』

Hi-STANDARDとも同じ時期に活躍していたゴリゴリハードコアバンド。このアルバムはドン・フューリーがプロデュース。こういう不良っぽい音を出すバンドって今はもういないんだろうなあというくらい悪役っぽい雰囲気。スピード感とゴリゴリ感。中心人物のTAKE-SHITのビギビギしているベースプレーもかっこよし。アートワークはハードコアアートでも有名なパスヘッドが手がけています。1996年の作品。キレていてぶっ飛んでいるという表現がしっくりくるバンドだと思います!!

⑨Buffalo Daughter(バッファロー・ドーター)- 『New Rock』

1998年発売の2ndアルバム。そして代表作でもあります。元ハバナ エキゾチカの大野由美子、シュガー吉永、そして山本ムーグにより結成されたバンド。TB-303、Minimoogなどを巧みに使用したり、ドラムンベース、マスロック、ノイズなどの要素も取り込んだりと実験性も高くコーネリアスとか好きな人にもおすすめです!!国内での知名度よりも海外での評価が高いかも。活動もワールドワイドでビースティ・ボーイズとキャピトル・レコードと共同で作ったレーベル、グランド・ロイヤル・レコードからのリリースです。

⑩ZI:KILL(ジキル)-『ROCKET』

ヴィジュアル系で取り上げられることが多く、実際そういった系譜の中にいるバンドには違いないのですが、1993年の時点でこのクオリティ。以前の4作はポジティブパンクテイストで、めちゃくちゃカドがたっている感があり、そのスタイルでも十分カッコよかったんですが、5枚目の『ROCKET』はかなりストレートなロックといった感じに仕上がっています。TUSKのボーカルスタイルもアンチな感じがしてとてもよし!!

▶︎ ZI:KILL / ROCKET - YouTube

最後に

今回はグレンジ扇風風吹き荒れる90年代初頭とムーブメント終焉付近の日本のロックバンドを紹介しました。本国に負けず劣らずのクオリティの高いバンドがたくさんいます!!ぜひ試してみてください!!音楽シリーズの紹介は次回も続きます!!