shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

90’s グランジ・オルタナティブと呼ばれたバンドと名盤10選 -6

前回に続き、USバンドのレビューです!!
今回はエモやポストロック的なアプローチのバンドを紹介していけたらと思います。

①Falling Forward(フォーリング・フォワード)-『Hand Me Down』

ケンタッキー州ルイビルのエモーショナルハードコアバンドになります。
静と動のコントラストがしっかりしていてとてもきれいなサウンド。そして少しだけノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。かなりクオリティの高いバンドではあるのですが、
中々の知名度の低さ…。勿体無さすぎだと思います!

のちにメンバーがELIOTTやKILOWATTHOURSといったバンドに発展していきます。
まさにELIOTTの前身バンドといった感じのサウンドになっています。

Hot Water Musicが好きな人にも受けそう。
1994年の作品。

▶︎ Falling Forward "Hand Me Down" (Full LP) - YouTube

②Don Caballero(ドン・キャバレロ)-『For Respect』

アルビニ録音のデビュー1stアルバム。
マスロックの源流ともいわれているドン・キャバレロは個人の名前っぽいネーミングだけど意外にバンド名なんですよね。

サウンドの方はインストロックで変拍子も多用し、かなり熱くロックしている感じです。彼らの代表作は4枚の「American Don」という作品になるんだけど、この1stの方がよりカオティックな緊迫感で包まれていてかっこいいと思っています。

ボーカルなしのインストはちょっと…と思っている人にこそおすすめ。マスロックというジャンルのパイオニア、そして楽器だけでここまで表現力を出せるものすごい人達です!!

1993年作、タッチアンドゴーからのリリース。

③Scratch Acid(スクラッチ・アシッド)-『The Greatest Gift』

ジーザス・リザードのデヴィッド・ヨウがまだテキサスに住んでいた頃に結成していたバンド。
メンバーもなかなかの経歴でDavid Wm. Sims(B)、元ビッグ・ボーイズでのちにミニストリーに加入することになるレイ・ウォシャム(Dr)などそうそうたるメンツ。

これらは彼らによる編集版で84〜87年発売の2枚のLPと1枚のEPで構成されています。

気になるサウンドの方はというと、かなりの変態性溢れるパンク?ロック。ニック・ケイヴに影響されたようなボーカルスタイルでサーフ・カントリー色も強く、なかなかの怪しさと凶暴性、そして中毒性もあり!!

カート・コバーンも好きだったバンドです!!ジーザス・リザードはニルヴァーナとカップリングCDも出してますよ。1991年作。

④Seam(シーム)-『The Problem with Me』

ビッチ・マグネットというポストロック・ポストコアの源流を作り上げたバンドのフロントマン、スーヤン・パークが在籍のギターバンド。
スタート当初はスーパーチャンクのマック・マコーンがドラムだったのも有名。

スーパーチャンクと同じチャペルヒルからシカゴへ移ってからの2ndアルバムである『The Problem with Me』は静と動のシームレスな移ろいと韓国系アメリカ人、スーヤン・パークのストレートでピュアな歌声も魅力。1993年発売でこちらもタッチアンドゴーからのリリース。
ジャケットのアートワークもキレイ。

⑤Mineral(ミネラル)-『Power of Failing』

エモーい!!
ナイーブなボーカルスタイルとサビの部分では胸の奥を掻きむしるような熱いギターが響き渡る、これぞ大道といったエモコアスタイル!!クリス・シンプソンの今にも泣き出しそうな歌いまわしはWEEZER並みかも。

ジャケットアートワークもとてもエモーショナルな感じ。アルバムを通してアップテンポな曲とスローテンポな曲、両方バランスいい配分でとても聴きやすい作品。

Crank!というインディレーベルからのリリースです。1997年発。
テキサスのクラシックエモバンドの1stアルバム!!

⑥The Rentals(レンタルズ)-『Return of the Rentals』

ウィーザーのベーシスト、マット・シャープのバンド。
特徴はアナログシンセやヴァイオリンをフィーチャーしているところ。

電子音+弦楽器の効果か、全体をとおして素朴な雰囲気とどこかレトロな感じが漂っています。
こちらもウィーザーに負けずかなりのPOPサウンド。キレッキレのサウンドとうねるムーグ。
2曲なんかは女性コーラスが絡んだりも!!

『Return of the Rentals』で手応えがあったマットはウィーザーを脱退し、レンタルズに専念していくことになります。1995年の作品。

ジャケットもナードな感じでとても好き!!

⑦COPPER(コッパー)-『Drag Queen』

Equal Vision Recordというハードコアレーベルからのリリースになります。
本作は1996年発売でジャンルでいうとポストハードコア、エモにあたります。

テキサス・イズ・ザ・リーズンや初期のセンス・フィールドのようなスタイルで、実際テキサス・イズ・ザ・リーズンのベースも在籍していたバンドなのでその周辺のバンドとは親和性も高いです。

どこかヒリヒリした感じもとても良し。
ミドルテンポ・アップテンポのバランスもとても聴きやすい良盤です。
マイナーなバンドですがぜひ!!
このバンドもエモーい!!

▶︎ Copper - Drag Queen (full) - YouTube

⑧Shades Apart(シェイズ・アパート)-『Save It』

ニュージャージー州出身の3ピースバンド。
ハードコアのもっている高速感や疾走感に哀愁を帯びたダークなメロディとボーカルが乗っかっている感じのスタイル。

要は、激シブでかっこいい!!ということ。

こちらはレベレーション・レコードからのリリースで、この日本では今も当時もマイナーなバンドです。作品ごとに音のスタイルが変化していて実験性の高いバンドなのですが、一貫して全てのクオリティが高く、ハードコアマナーを保っているのも彼らの凄さ。

『Save It』は1995年の作品で、ALL、Descendentsのビル・スティーブンソンとステファン・エガートンの名コンビがエンジニアを担当しています。
ALLやDescendentsのような疾走感や変拍子も加わり、オリジナリティのある作品になっています。

とてもエモーショナル!!

▶︎ Shades Apart - Save It. (Full Album) - YouTube

⑨State Of The Nation(ステイト・オブ・ザ・ネイション)-『State Of The Nation』

こちらもレベレーション・レコードより1995年のリリース。
ミドルテンポなハードコアナンバーがずらりと並び、3ピースバンドとは思えないほど分厚さを感じるサウンドです。

このバンドは紹介した割には詳しいことがいまだにわかっていません(すみません…)。
わかっているのはジャケットアートワークのレイアウトがブルーチップ、レティソニックのジェイソン・ファレルだということ。レベレーション・レコードという名門レーベルの初期のカタログだということと3ピースバンドであること。

そして疑いなく名盤で非常にかっこいい!!
スノーボード、スケートのBGMにももってこい。

地元のタワレコで100円コーナーにぶち込まれているもを掘り出して、それをいまだにもっているんですが、誰に聞いても、ネットで調べても何もわからず…。多分この1枚で終わったバンドなんでしょうけと、勝手に隠れ名盤だと信じています。

⑩Nada Surf(ナダ・サーフ)-『High/Low』

1992年にニューヨークで結成されたバンド。
一応アメリカのオルタナティブロックバンドの括りに入っていて、エモやギターロック好きにもハマる軽快な音を主軸としている感じ。3曲目の「Popular」がちょっとだけ有名。

ちなみにプロデュースはThe Cars(カーズ)のリック・オケイセックです。
2002年の『Let Go』、2012年の『The Stars Are Indifferent To Astronomy』。
そして最近の作品である2020年の『Never Not Together』というアルバムが彼らのカタログの中では好印象。

どれもメロウでいい作品。天気が良い日のお出かけにぴったりなサウンド。

最後に

また次回へ続きます。
次は90’s グランジ・オルタナティブと呼ばれたバンドと名盤10選 -7です。