shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

90’sグランジ・オルタナティブと呼ばれたバンドと名盤10選 -7

特集を組んではや第7弾。
改めて聴き直したり調べ直したりしていると再度良さを確認できてどんどんおもしろくなってきました。
今回もスタート!!

①Meat Puppets(ミート・パペッツ)-『Meat Puppets II』

ブラック・フラッグのGreg Ginnのレーベル「SST」からの2ndアルバム。
1984年の作品です。

彼らはカート・コバーンにも愛され、ニルヴァーナの『アンプラグド』でも演奏された3曲もこのアルバムに収録されています。
4曲目「Plateau」、9曲目「Oh Me」、10曲目「Lake Of Fire」は名曲。
カートの声で聴くのもいいですが、オリジナルもGOOD!!

作品全体としてはスピードのあるショートチューンとカントリーやブルースなどのルーツ的要素を差し込んで引き倒したていたりとかなり異色の音楽感覚。
バッド・ブレインズが自らのルーツであるレゲエを差し込んでいる感覚やビースティ・ボーイズの1stでみられるヒップホップフレーバーの差し込みにも似た感じあると勝手に思ってます。

90年代のバンドではないけど重要作品ということで!!

②Meat Puppets(ミート・パペッツ)-『Up on the Sun』

ミート・パペッツの3rdアルバム。
2ndのルーツ的要素であるカントリー、ウエスタン、フォーク色がより強まった作風。

よくグレイトフル・デッドの影響を受けているって言われているバンドなんだけど、今回はまさにそれ。
もはやサイケ感すら漂っています。

今作もSSTからのリリースなんですが、このレーベルの特徴ってゴリゴリのハードコア主体なんだけど、まれにこういうセンスあるリリースもしてくれるナイスなレーベルなんですよね。

気だるい声とゆるいサウンド、でもオルタナ精神はしっかり宿っているセンスあるパンクバンドです!!
1985年のリリース。

③Nine Inch Nails(ナイン・インチ・ネイルズ)-『The Downward Spiral』

ナイン・インチ・ネイルズはトレント・レズナー(Vo .Key他)のイメージした世界観を音楽へ反映させたソロユニットで、ジャンク、メタル、ハードコア、ノイズ、エレクトロ、ボディビートなどをミックスさせたインダストリアルミュージックが特徴。

狂気のサウンドとは、多分こんな音のことを言うのかも。

過激なライブパフォーマンス、PVなども後世に与えている影響はかなり大きい!!
90年代はニルヴァーナイヤーなのは間違いないのですが、ナイン・インチ・ネイルズもぜひ体験してみてください。

カナギリ音と高速シャウト、ヒップホップ的な曲やパンキッシュなアプローチまで、かなりの雑食性がうかがえます。

すごいことに、演奏のほとんどはレズナーひとりがやっていること。
混沌とした精神がそのまま音になったような作品。
1994年の作品。

ちなみに、日本盤のボーナスはジョイ・ディヴィジョンの「デッドソウル」を収録しています!!

④KEPONE(ケポネ)-『KEPONE』

バージニア州リッチモンドのバンド。
この変なバンド名は1970年代に発生したリッチモンドで起きたケポネ危機に由来しているそうです。

タッチ・アンド・ゴーの姉妹レーベルであるクォーターステックからのリリースで1997年の作品になります。

サウンドはシェラックのボブ・ウェストンが手がけています。
ハードめなインディロックっていう感じでなんとなくリーザス・リザードフレーバーもありつつという感じが個人的に気に入っているところ。

ギターもザクザクでパンキッシュ。
マイナーですがおすすめ!!

⑤THUMB(サム)-『Exposure』

謎のオールドアメリカチックな変なジャケット…。
しかし内容はレイジ並みのゴリゴリミクスチャーハードコアサウンドを展開!!

シカゴのゴリゴリハードコアレーベル、ヴィクトリー・レコーズからのリリースで1997年の作品です。このレーベルは間違いなしのバンドばかり!

TB(トータリーボード)シリーズというスノーボードのVHSシリーズで曲が使われていたり、横ノリにもマッチングするようなパワー全開な勢いのあるバンド!!

ちなみにメンバーの服もとてもおしゃれ。
アルバムのクレジットにはXLARGE、Dickies、BLACKFLYSなどアパレルメーカーのスポンサー名も記載。

捨て曲はなし。
文句なしの内容です!!

⑥Morning Again(モーニングアゲイン)-『As Tradition Dies Slowly』

1998年、レベレーション・レコーズからのリリース。
不穏な雰囲気、そしてブルータルで脅威的なメタルサウンドは怖さすら感じてしまうほど!!
激しいのが好きな人にもってこいですね。

彼らはフロリダ出身で、ただ激しいサウンドだけじゃなくストレートエッジやビーガン、反政府思想などを持っていた結構プロテスタントなバンドだったみたいです。

バンド消滅後、Culture(カルチャー)、Shai Hulud(シャイ・ハルド)、As Friends Rust(アズフレンズラスト)といったバンドに派生。
どのバンドもカッコよしです!!

▶︎ Morning Again - As Tradition Dies Slowly (full album) - YouTube

⑦Pavement)(ペイヴメント)-『Crooked Rain, Crooked Rain』

もう最高!!
ポップなセンスとミドルテンポな曲調が多く、とても聴きやすいアルバム。

彼らは90年代のローファイシーンを象徴するバンドでスティーヴン・マルクマスとスコット・カンバーグによってカリフォルニアで結成。
この頃のドラマーは酒癖の悪さが祟って脱退。
その後、新しいドラマーのスティーブ・ウェストを迎え、NYでレコーディングしたのが今作。

ドラマーがチェンジしたことによって今までになかった力強いグルーブがもたらされ、クオリティが増し、バンドを代表する作品になっています。
明快なリフや能天気なコーラスが心地よいドライブ感を与えてくれます。

元気がないとき、落ち込んでいるときに聴きたいアルバム。
1994年発売。

⑧No Use for a Name(ノー・ユース・フォー・ア・ネイム)-『Making Friends』

アメリカ、サンノゼにて結成。このアルバムは1997年の作品。
当時、メロコア好きには必聴のバンドとして挙げられる程有名なバンドでした。
文句なしのかっこいいロックを聴かせてくれます!!

疾走感、メロウさ、そしてなんといってもボーカルのトニー・スライの渋いボーカル。
90年代の横ノリカルチャーとリンクして、当時ハイスタなんかと一緒にこの日本でも大人気でした。

前に紹介したラグワゴンと共にFat Wreck Chords(ファット・レック・コーズ:NOFXのレーベル)を代表するバンドでもあります!!

1999〜2000年代に入ると、よりエモーショナルなスタイルへ変化していきます。
中でも『More Betterness!』と『Hard Rock Bottom』はエモ史にも輝く名盤になっています。
全アルバムチェックしても損なしですよ!!

⑨G. Love & Special Sauce(G・ラヴ&スペシャル・ソース)-『G. Love and Special Sauce』

彼らはフィラデルフィア発のオルタナティブブルースバンド。
今作は1994年にブルースの老舗レーベル、オーケーからのリリースで1stアルバムになります。

ルーツサウンドへのこだわりやヒッポヒッポへの愛情が合わさり、今作はブルースとヒップホップが融合したかのようなサウンドを聴かせてくれます。
気だるい感じやストリートっぽい泥臭さもうかかがえます。
ジャケットも含めとにかくおしゃれな仕上がりになっていますよ。

自然体であることやラフなサウンドはジャック・ジョンソン周辺のアーティストたちにも多大な影響を与えることに。
激しいロックではないですが、とにかくかっこよいブルージーなサウンドは一聴の価値ありです!!ヒップホップが好きな人にもおすすめです。

⑩™Himsa(ヒムサ)-『Ground Breaking Ceremony』

シアトル出身のカオティックハードコアバンド。
バンド名はサンスクリット語で「危機」「暴力を意味する「ヒムサ」が由来しているそうです。

サウンドはその名を体現するような凶悪でブルータル。
彼らはこの作品と2枚のEP以降は本格的にヘヴィメタルなサウンドへとスタイルチェンジしていくことに。

個人的にはこのアルバムと2枚のEPが好きなので断然こっちの方がおすすめ」!!
ハードコアレーベルのレベレーションからリリース。

激しく狂った絶叫スクリームが聴きたい人にぜひ!!
ぶっ飛ばされます!!

▶︎ Himsa - Ground Breaking Ceremony [Full Album] - YouTube

最後に

今回はここまで。
今回はミート・パペッツなど90年代のバンドではないのですが、ルーツ的なものも少し含ませてレビューしました。
中には少し難解なバンドやサウンドもあるかもしれませんが是非トライしてみてくださいね。

ナイン・インチ・ネイルズやG. Loveなんかは僕も最初は「なんかとっつきにくい音楽だな」って思っていましたが、評論家の評価も高く、周りもすごいって言っているし、試しに聴き続けてたらある時バチっと感性がハマるっていう事が結構あったんですよね。
同系統のミュージシャンやブルースなどのルーツミュージックを調べていたら、そのとき、やっと彼らのすごさに気づかされました。

今では僕が初めて体験したときよりも多種多様なサウンドで溢れかえっているし、今の方がすんなり感覚に馴染みやすいと思うので‼︎