shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

90’s グランジ・オルタナティブと呼ばれたバンドと名盤10選 -10

こんにちは!!
今回もだいぶ続いている名盤シリーズです。
今回は日本のバンドをフォーカスしていきたいと思います!!
お付き合いくださいまし!!

①GMF(ジーエムエフ)-『In My Mind』

日本のルーツミュージックである歌謡化や流行歌っぽいポップスの流れを一切汲まないUSメタル、ハードコアを純度100%で表現できていたジャパニーズハードコアバンド。

全く日本のバンドの雰囲気が出てないサウンドで、デビロックの遠藤が在籍していたことでも有名だけど今では跡形もないくらい忘れ去られている感も。
しかし日本人離れした圧巻のスラッシュハードコアなサウンドはセパルトゥラやスレイヤーにも通じている感もあります。
この頃の日本のアングラシーンにこんなかっこいいバンドがいたんですね!!

▶︎ GMF - In My Mind (1997) - YouTube

②ZI:KILL(ジキル)-『IN THE HOLE』

前に紹介した日本のバンドでも取り上げたジキルの92年発表の通算4枚目のアルバムです。
次作『ROCKET』ではストレートなロックな仕上がりになっているのですが、今作『IN THE HOLE』はポジパン→ニューウェーブなアプローチへシフトチェンジした実験性も窺える秀作です。
シングルにもなった5曲目「Slow Down」も収録されていて聞き応えも十分!!

ニューウェイブ的な浮遊感もありつつ、やっぱり尖り具合も隠せないという感じ。
ジョイ・ディヴィジョンの『サブスタンス』をもう少し生意気にしたかのようなアルバム。
かっこよし!!
ジキル、好きだなあ…。

▶︎ ZI:KILL / IN THE HOLE - YouTube

③envy(エンヴィー)-『From Here to Eternity』

ボアダムスと同等の最強すぎるバンド(比べられないけど)。

エンヴィーの作品だと次作『君の靴と未来- all the footprints you've ever left and the fear expecting ahead』と2006年発表の『Insomniac Doze』の2枚が圧倒的な傑作だし、僕個人としてもいまだに聴き込んでいる作品なのですが、通算2枚目に当たるこのアルバム『From Here to Eternity』もものすごくいい!!
前述の2枚ほどのストーリー性のようなものはないのですが、激情の黒い炎が静かに燃えている感じのサウンド。

ポストハードコアバンドの彼らはシーンにおいても唯一無二で孤高の存在感を放っています。
情念と言葉と叫びが一体化しているかんじ。
海外評価も高いのも納得。

エモーショナルでハードなサウンドが好みの方、メタルも好きな人、
どちらにもおすすめの1枚!!
1998年の作品です。

④MINOR LEAGUE(マイナーリーグ)-『青い空』

日本の激情ハードコア。
ゴリゴリのギターとベースの音圧に張り合うような全身全霊のシャウト。
クレイジーなビート連射も凄まじく、終始ものすごい爆発力のある曲がずらりと並んでいます。

バンド名にもあるようにいささかマイナーなバンドですが男前なかっこいいサウンドを聴かせてくれる作品です。
特に激走パートから一気にダウナーに落とし込むテクニックがすごい!!
1997年発売の1stアルバムです。

おすすめは1曲目「青い空」。
ぶっ飛ばされてください!!
燃える!!

▶︎ 【MINOR LEAGUE】青い空|TAMASONIC 2016 LIVE MOVIE -short- - YouTube

⑤bloodthirsty butchers(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)-『Kocorono』

ブッチャーズの大名盤『Kocorono』。

彼らのアルバムはどれも大好き!!
日本のみならず海外からの評価もものすごく高いのも納得。
フガジのイアン・マッケイにも「グレイトなバンドだ」と称賛されたり、ベックやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンからも指名されて共演したりとミュージシャンズミュージシャンなバンドでもあります。

そしてブッチャーズでどれか1枚挙げるとしたらやっぱりこの作品。
静と動の表現力やファズによる大音量で歪んだ音も彼らの特徴。
抽象的な歌詞もこの音に相乗して特有の哀愁を漂わせています。

ノイジーでエモーショナルなサウンドはダイナソーJr.のような感じ。
最高のエモーショナルロックバンドと言っていいと思います!!

▶︎ Bloodthirsty Butchers - Kocorono - YouTube

⑥bloodthirsty butchers(ブラッドサースティ・ブッチャーズ)-『未完成』

ブッチャーズの5thアルバム。
ジャケットのアートワークはジミー大西。
両者とも最高のアーティスト!!
サウンドもよりエモーショナルになっています。

前作『Kocorono』から3年後のリリース。
切なく研ぎ澄まされた轟音は健在で、名曲「ファウスト」や「プールサイド」なども収録されています。
かっこよし!!

北海道札幌出身のバンドです!!
1999年発表作!!

▶︎ bloodthirsty butchers - 未完成 (1999.7.16) - YouTube

⑦HUSKING BEE(ハスキング・ビー)-『PUT ON FRESH PAINT』

通算2枚目。
ハイスタ並みに有名なエモーショナルパンクバンド。

今作は初の海外レコーディングでジミー・イートワールドやブリンク-182を手がける名プロデューサー、マーク・トロンビーノを起用しています。
この2作目からメロコアだった前作からエモへシフトチェンジし、プロダクションも飛躍的に向上しています。

理屈抜きで本当にかっこいいアルバムです。
スピード感とエモーショナルな曲の大洪水。

日本盤はトイズファクトリーからのリリースですが、海外盤はエモの名門ドッグハウスからのリリースです。
1998年の作品。

⑧ COWPERS(カウパーズ)-『Lost Days』

ブッチャーズと同郷、札幌のオルタナティブエモーショナルバンド。
サウンドはジョーボックスやスーパーチャンクにつながるような感じ。
泣きだけじゃなく、ちゃんとロックしているのも好印象。

90年代の札幌シーンを代表するバンドの一つです。

8曲目の「DAYS」はブッチャーズ吉村さんも参加。
後続のギターバンドに与えた影響も大きい!!
アメリカと地続きなサウンドを聴かせてくれますよ!!

⑨BUCK-TICK(バクチク)-『Six/Nine』

以前の日本盤シリーズでも1枚紹介させてもらったのですが、今回はこちら『Six/Nine』。

実験性の高いアルバムで音も重く、よりダークになっています。
ポエトリーリーディング的な1曲目「Loop」から全編英詞でハードなナンバーの2曲目「love letter」の流れで聴き始めからやられてしまいます。

1995年発売のオリジナル盤は6曲目「楽園(祈り 希い)」がコーランの逆回転を引用したことにより回収されるという騒動もあり、後にその部分の演奏をカットしたリメイク版が流通していて今はそちらが主流になっています。
オリジナルの方は割と安価で中古屋さんでも手に入るのでチェックしてみてくださいね。この時期の彼らの尖り具合といったら凄まじいものがあります。

そしてこのアルバムは意外にもシングル曲もたくさん入っていますしね。
おすすめは1〜2曲目の流れと5曲目「限りなく鼠」、6曲目「細い線」10曲目「デタラメ野郎」12曲目「Kick(大地を蹴る男)」14曲目「唄」、そして裏名曲として名高い15曲目「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」などなど。

当時はこういうダークでハードなアルバムもチャートに食い込んでいたんですね…。 ダークなゴシックさとアンビエントとインダストリアルを混ぜ込んだ狂気のサウンドです!!
試してみてください!!

⑩Copass Grinderz(コーパス・グラインダーズ)-『Kr/A/sH! 』

1990年代に活動していたハードコアバンド。
バンド名の由来はテッド・V・マイケルズの映画『人間ミンチ』の現代である『The Corpse Grinders』からとったもの。
当初はそのまま使っていたのですが、後に「CopのAssをGraindしてしまう」というとんでもないもじり方を内包するバンド名へチェンジします。
バンド名通りグランドテイストなハードコアなアンチなサウンドはかなり破壊的。
スピード感とやさぐれたボーカルもGOOD。

メンバーもなかなかのメンツで、ボーカルギターの榎本さんはバンド結成前はモルグで活動。
ギターボーカルの名越さんはCHARA、堂本剛、Superflyなどのサポートギタリストを務めていたり、ドラムの大地さんは元fOUL、BEYONDSなどの伝説的ハードコアで活動していました。
ちなみに今作はブッチャーズの吉村さんも在籍しています。
内容悪いわけない!!

海外ツアーも精力的に行っていて実力派のハードロッキンバンドです。
1996年の作品。

※なんだかエモっぽいものとハードコアテイストなものが多くなってしまいましたが、よかったら試してみてください!!