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リック・ルービン(Rick Rubin)はビースティ・ボーイズの『Licensed To Ill』、RUN-D.M.Cの『Raising Hell』、スレイヤーの『REIGN IN BLOOD』、レッド・ホット・チリペッパーズ『Blood Sugar Sex Magic』など誰もが知っている超ド級の名盤を数々手がけ、音楽・ロック史においてものすごい功績を残しています。最近だとスリップノット、リンキンパーク、メタリカなども手がけ、彼が携わっている作品はアーティスト・ジャンルなど多岐にわたっており、優れた作品を今もリリースし続けています。デフ・ジャムレコードの創始者でもあり、コロムビア・レコードの社長もしているようです。リック・ルービンなくしてHIP HOPの繁栄はなかったし、前述のバンドたちに今のような影響力はなかっただろうという意見は多いです。
が、一方、レコーディング方針や彼の仕事にフィットせず、途中で起用を断るアーティストや彼の最初のヒットアーティストとなったビースティ・ボーイズのアダム・ヤウクもどうやら気が合わなかったようです。詐欺同然の契約書にサインさせられ『Licensed To Ill』発表後、やる気も失速。働いた分のお金もこないし、疲労や反感もあったのでしょうね。
ロングアイランド出身、父親の金を使いまくっていたボンボンのリックは NYU学生時代、地元パンクバンドやアップタウンの浮ついたバンドなどをドッキングさせたイベントをプロデュースしたりとロックシーンのビジネスに精力的になっていました。
ビースティ・ボーイズに関わる前は、プリックス(The Pricks)やホーズ(Hose)というバンドでプレイしていたそうです。その後、RUN-D.M.C.のマネージャー ラッセル・シモンズと組んでデフ・ジャムとコロムビア・レコードの間に契約を取り付けることに成功。アーティスト志向のミュージシャンと、金儲け・ビジネス的成功を意識している彼とでは折り合いがつかにことも多かったのかもしれませんね。パンク・ハードコア界隈だと賛否はあったようですが、一方、ヒップホップサイドから見るとそうではなくリスペクトの方が多かったようです。
HIP HOPをヒットさせた当時21歳の彼は、長髪のユダヤ人で貪欲に幅広いジャンルの音楽を聴きこみ、若い白人たちの文化的反抗心を煽ることもできていました。初めはメタル・パンクファンの彼だったがWBAUのラップ番組やDJ.マジックの番組を見聞きするうちにラップの大ファンになったそう。ロングアイランドからNY大学に通うためマンハッタンに引っ越してきた彼は、ネグリルやロキシーで行われたクール・レディー・ブルーの《ホイールズ・オブ・スティールナイト》の常連となり、こうしてリックはHIP HOPへ傾倒していくこととなりました。
※1 WBAU:NYのガーデンシティーのアデルフィー大学にある学生が運営するラジオ局のコールサイン(看板名)
※2 DJ.マジック:NYのラジオ局、WBLSでのHIP HOP番組《ラップアタック》をしていた時のパーソナリティ。
ハードコアシーンとHIP HOPシーン、両方に携わっていたからこそ彼の音楽性は幅広いのかもしれませんね。
まずは色々聴いてみよう!
彼の携わった作品を個人的に好きなものを3枚ずつ年代別に紹介しようと思います。
1980年代
『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』(1980年) パブリック・エナミー
2nd『Run-D.M.C』と並ぶ重要HOP HOPグループ。圧倒的破壊力。
辛辣なメッセージだが重くならずに聞きやすいと思います。
『Electric』(1987年) ザ・カルト
イギリスのバンド。ニューウェーブ時期に出てきた彼らはポジティブパンクやポストパンクなイメージもあったけど、このアルバムはロックです。かっこよし。
『Danzig』(1988年) ダンジグ
1stアルバム。ミスフィッツ、サムへインのボーカルのソロバンド。
全体的にダークです。
1990年代
『Danzig Ⅱ: Lucifuge』(1990年) ダンジグ
2ndアルバム。バラード曲の"Blood And Tears"が好き。
ダンジグは1st、2ndのジャケットがかっこいいんですよね。
『Geto Boys』(1990年) ゲットー・ボーイズ
HIP HOP。黒いビースティって言われていたらしい。
なんとなくN.W.A.っぽい。1曲目かっこよし。
『GREATEST HITS』(1993年) トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ
《ON VIDEO MAGAZINE》というスケートボードDVDのオープニング曲で"Runnin’ Down a Dream"が使われていて、その影響でこの曲がとても好き。
燃える。
2000年代
『Renegades』(2000年) レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン
トム・モレロのギター、ザック・デ・ラ・ロッチャのラップかっこよすぎ。ロックバンド ローリング・ストーンズの『Street Fighting Man』のカバー、センス良いです!!
『Armed Love』(2004年) ザ・(インターナショナル)・ノイズ・コンスピラシィ
スウェーデンのハードコアバンド リフューズドのボーカルのバンド。
政治的でポリティカルな曲が多い。かっこよし。
『Good Apollo I’m Burning Star Ⅳ,Vol.2: No World for Tomorrow』(2004年) コヒード・アンド・カンブリア
アメリカNYのプログレロックバンド。メタルとかエモとかとも形容されるがとても聴きやすい。
あまり長尺じゃないのもよし。
今回はこんな感じです。
関連作はまだまだあるので是非買い漁ってみて下さい。