- Plan B -『Virtual Reality』(1993年)
- Alien Workshop -『Photosynthesis』(2000年)
- Alien Workshop -『Mindfield』(2009年)
- Blind Skateboard -『Video Days』(1991年)
- BLACK LABEL - 『Label Kills』
- ZERO - 『New Blood』(2005年)
- Zoo York -『Peep This』(1999年)
- WORLD INDUSTRIES -『Love Child』(1992年)
- TOY MACHINE -『Welcom to Hell』(1996年)
- Girl -『Mouse』(1996年)
スケートの発展に多大な影響を及ぼしたストリートVHS(ビデオ)。今ではDVDからネット配信に変わり、古い媒体ではあるけれど、当時はこの方法でしか知る術はなく、このビデオでしか遠く離れたアメリカの空気を知ることができませんでした。そんなVHSの名作を10選を紹介します!!個人的にかっこいいと思うものをチョイスしているので時系列はバラバラです。すみません。あと絶対外せない名作見たいのも入れています。まずは・・
Plan B -『Virtual Reality』(1993年)
バーチカルスタイルとストリートスタイルっていうのはこの時期分かれつつあったんだけど、両面からアピールし、両スタイルをクロスオーバーしたことで有名なコリン・コッケイ、ダニー・ウェイが在籍。各パートに使用されている音楽もロック&HIP HOP。オープニングはオジー・オズボーン。全パート必見なんだけど、トニー・ファーガソンのストリートをいなすす滑りが大好き。全体的にスピード感とリスキーなトリックが多く、爽快なBGMとの一体感もありますよ。
使用曲一覧はこちら。
- Ozzy Osbourne - I don't know
- Steve Miller Band - Serenade
- kiss - Detroit Rock City
- Souls of Mischief - Souls of Mischief
- metallica - For Whom The Bell Tolls
- casual - A Little Something
- casual - Lose In the End
- Jim Croce - You Don't Mess Around With Jim
- Jim Croce - Time in a Bottle
- The Beatnuts - Story
- Rick James - Give It To Me Baby
- The Offspring - Session
- Primus - DMV
- Led Zeppelin - Good Times Bad Times
- Buffalo Springfield - For what it's worth
このプランB、他にもショーン・シェフィー、ロドニー・ミューレン、マイク・キャロル、リック・ハワード、パット・ダフィー、サル・バービア、ゲスト出演にロブ・デューディック、サルマン・アガー、ジョバンナ・タナー、エリック・コストン、ジョン・カーディエルなども。現在はポール・ロドリゲスも加入しているみたい。今なおトッププロを抱えるスケートチームの初期の映像。他にも1992年『Questionable』、1994年『Second hand smoke』、1997年『The Revolution』もクラシックながら最高の作り。昔の作品だけど機会があれば見てみてください。
次は・・
Alien Workshop -『Photosynthesis』(2000年)
スケートしている人以外にはもしかしたら聞きなじみのないブランドかも。エイリアンワークショップは1990年にクリス・カーターとマイク・ヒルによってオハイオ州で設立されたデッキブランド。特徴はアート・音楽色が非常に強く、それらをチーム作品の随所に色濃く映し出していること。ライダーも普通の感性ではない感じの人が多いイメージ。2008年にバートン傘下になり、2012年にロブ・デューデックが買収。その後大企業であるPacific Vector Holdins の手に渡り、2014年に同社が倒産し、一時的に消滅します。そしてまたロブ・デューデックが買収してディストリビューターをTum Yetoへと移し、また復活とてんやわんやな経緯も。内情はともかく初期の頃からオシャレでかっこいいライダーぞろい!!ジェイソン・ディル、アンソニー・バンイングレン、ジョシュ・キャリス、ロブ・デューデック、ディラン・リーダー、スティーブ・ベラなどなどタレントばかり。
『Photosynthesis』ではオープニング一発目からアンソニー・バンイングレンの荒削りストリートライディングからスタート!!サーチ&ディストロイ(イギー&ステューディーズ)をBGMにフリック、カーブトリックなどイケイケなスタイルを見せてくれますよ。LOVE PARKでのジョシュ・キャリスのキックフリップ。あとジェイソン・ディルも印象的。彼の着ているシュプリームもかっこよし。この頃のジェイソン・ディルが一番好き。他にマーク・アップルヤードも出てますね。全体にアーティスティックでライダー個人のスキルもすごいけど、ビデオとは思えないアートワークです。
同時に音楽もストリートとスケート、アートもしっかり溶け込んでいてオシャレ的。2000年にドロップ作品ですがネクストレベル。音楽もポストロック、HIPHOP、パンク、ロックなどうまく融合されています。ジェイソン・ディルのパートのレディオヘッド使用なんてステキすぎ。興味があれば聞いてみてくださいね。
- Iggy Pop & The Stooges - Search And Destroy
- Thurston Moore - Root
- Tortoise - Ten-Day Interval
- Turing Machine - Swiss Grid
- Freddie Foxx - 24 Hrs
- UNKLE - Rabbit In Your Headlights
- Radiohead – Polyethylene
あと、このブランドの姉妹デッキブランドでHABITATっていうのもあるんだけど、こちらも姉妹ブランドだけあって良いデザインが多くトップスケーター達が揃っていますね。
エイリアンワークショップからもうひとつ。
Alien Workshop -『Mindfield』(2009年)
こちらは最近の作品ではないのですがこのブランドやライダーたちのキャリアハイを感じさせるものすごい内容。キャリス、アンソニー、ジェイソンの他にもアートサリ、ヒース・カーチャート、マイク・テイラー、オマー・サラザールなど。
使用されている音楽も冒頭1曲目アメージンググレイスのバグパイプの音から始まり、オープニングのオマーのパートのダイナソーJr.と何とも言えない賛美感と相反するスピード感。他の使用曲もいいけれど特にこのオープニングで心を持っていかれます!!『Photosynthesis』とどこか似たサイエンス感も含んでいてこの作品をさらに進化させた感じ。ライダー個々のライディングもすごいだけでなくオシャレ。
あ、あとダイナソー.JrのJ.マスシスも出てますよ。個人的ベストパートだとジョシュ・キャリスのパートかな。にじみ出るHIPHOPスタイル。凄まじいトリッキーさ。回し系。グラインド。全部あこがれます。古着屋さんでDCの初期の彼のシグネチャー売ってて状態も良しで即買いしましたよ。それくらい響きましたね。
他にもジェイソン・ディルの変態的スタイルや洗練されたアンソニー・ヴァン・イングレンのゴリゴリのパート、ヒース・カーチャートのぶっ飛んだレッジトリック、ステアなど見所盛りだくさん。アート、ファッション、スケート、音楽がみっちりとこの1本で体験できると思います。使用曲はざっくりとこちら。
- Dinosaur.Jr - Almost Ready
- Animal Collective - My Girls
- Elliott Smith - Coast To Coast
- Steve Winwood - Dear Mr. Fantasy
- Adolescents - Kids of the Black Hole
Blind Skateboard -『Video Days』(1991年)
1991年にリリースされたブラインド・スケートボードのVHS作品。監督はスパイク・ジョーンズ。「マルコヴィッチの穴」「かいじゅうたちのいるところ」でも有名ですよね。この作品、スパイク・ジョーンズが手がけているんですが日本だとマイナー作品。ライダーはジェイソン・リー、マーク・ゴンザレス、ガイ・マリアーノ、ルディ・ジョンソン、ジョーダン・リクターなど。スケートしていない人も名前くらいは聞いたことがあるかも。ジェイソン・リーはステレオ、マーク・ゴンザレスはリアル→クルキッドなんかもやっています。最も影響力のあるスケートVHSだと思います。マーク・ゴンザレス、ジェイソン・リー、ガイ・マリアーノ、彼らの天才的才能とスタイルが見れますよ!!
〜1991年、これまでのスケートボードの価値観を覆す作品がこの『Video Days』。80年代のスケートムーブメント終息後のスケート界にマーク・ゴンザレスを中心とする「ブラインド」と駆け出しフォトグラファーのスパイク・ジョーンズが新しいムーブメントを作っていきます。
見所は全部かな・・。普通、こういうスケート作品を作るときってライダー1人ひとりが何日もかけて良い滑りをためていくので違う服装、髪型だったりするんだけど、『Video Days』はひとりのステージを1日で撮り終えるというもの。リアル感もあるし、そういう考えもステキすぎ。あとこのVHSのもうひとつの見所は未成年ライダーたちが酔っ払い運転でカーブを曲がりきれなくて崖から落ちていくシーン。今だと絶対アウトだし笑えないけど、この作品だと本当に不謹慎だけど彼らのあまりのバカっぷりに笑えます。あと例のごとく使用されている音楽もオシャレ。
- オープニング:War - Low Rider
- ガイ・マリアーノ:Jackson5 - Want You Back
- ジョーダン・リクター:Black Flag - My War
- マーク・ゴンザレス:John Coltrane With the Red Garland Trio - TRANEING IN / Some Damn Good Jazz
- 『Short Film』
- ルディ・ジョンソン:Dinosaur Jr. - Just Like Your Heaven
- ジェイソン・リー:MILK - The Knife Song / Hüsker Dü - Real World
- エンドロール:Ry Cooder - Cancin Mixteca
なかなか最近のが入ってこないけど、とりあえずはだいぶ前とかちょっと前から選ぼうと思います。今に与えた影響とかクラシックな名作ということなので。
次の作品は激ハードコア&ロックンロールスタイル。
BLACK LABEL - 『Label Kills』
BLACK LABELはジェイソン・アダムス、クリスチャン・サビタック、サルマン・アガー、アダム・アルフォーなど。こちらもタレントばかり。
各ライダーの個性も強く、レール、ステア系のトリック攻めがハンパじゃないです。当然BGMもメタルやハードコアばかり。ロック好きのスケーターはぜひ!!
BLACK LABELの『Label Kills』の次曲『Black Out』もかっこよし!!
ZERO - 『New Blood』(2005年)
ZEROの方はクリス・コール、ジェイミー・トーマス(僕はジェイミー・トーマスが1番好き)。
Zoo York -『Peep This』(1999年)
出演ライダーもNY臭ムンムン。クイム・カルドナ、マイク・カルドナ、キース・ハフナゲル、クリス・ケーフ、ジョナス・ケーフ、ジョシュ・キャリス、マイクV、ハロルド・ハンターなど。NYのアイコン的スポット、ブルックリンバンクスはスケート用に作られていない構造物でいかに人と違う自分のオリジナルのスタイルを出すかが全て。そしてこのメンツ。文句なしです。
Zoo Yorkは1993年にできたNYのブランド。ロドニー・スミス、イライ・モーガン、アダム・シャツらが東海岸のスケートシーンを確立するために起業。彼らはもともとマンハッタンのリバーサイドパークスでグラフティ集団として活躍していたのでNYのストリートシーン(HIPHOP、スケート、グラフィティ)のカルチャーから影響を受け、それがデッキのデザイン・アパレルの雰囲気につながっています。良い作品ですぞ。ちなみに僕が初めて買ったデッキはZoo Yorkのチームデッキでした。
WORLD INDUSTRIES -『Love Child』(1992年)
1982年にロドニー・ミューレンとスティーブ・ロコがワールド・インダストリーズを立ち上げます。 イメージキャラのフレームボーイやウェットウィリーは有名ですよね。設立したのは1987年。マイク・バレリーも入ってます。カリフォルニア州サンタモニカのブランドです。
たくさん作品もあるのですが、ぼくがイチオシなのはこの『Love Child』。オープニングはチコ・ブレネス。チョコレートでも活躍の彼がオープニングでステッペンウルフの「 Born to Be Wild」をバックにスキルフルで勢いのあるライディングを披露。このオープニングだけで満足。おそるべし90年代。使用曲もシュプリームス「Baby Love」、トーケンズ「The Lion Sleeps Tonight」、スリー・ドッグ・ナイト「Back And White」など。他にもレイチャールズ、ダイアナロス&シュプリームス、スティーヴィーワンダーも。ライディングとミュージックとパックで見てほしいです。
TOY MACHINE -『Welcom to Hell』(1996年)
これまた外せない作品。ライダーはマイク・マルドナド、エリッサ・スティーマー、ブライアン・アンダーソン、ドニー・バレー、エド・テンプルトンジェイミー・トーマスら。トリのジェイミー・トーマスのパートは圧倒的!!ミスフィッツのTeeシャツを着てハンドレールトリックの連続。かなりのアンチコンなライディング。この人は回し系トリックもすごいんですよね。他にもエド・テンプルトン、エリッサ・スティーマーも見逃せない。使用曲はざっくりとラード、ミスフィッツ、ヴァン・ヘイレン、ピンク・フロイド、ジェファーソン・エアプレイン、ブラック・サバス、ソニック・ユース、D.R.Iとか。トイマシーンはエド・テンプルトンが1994年に設立したブランド。グラフィックアートも個性的で僕も大好きなデッキです!!最近はRVCAともTeeシャツコラボもしてますね。
Girl -『Mouse』(1996年)
1993年、リック・ハワード、マイク・キャロルらが当時スポンサーだったPLAN B。ワールド・インダストリーズから独立し、設立させたスケートブランドの1996年2作目。リリースされる作品は全て歴史に残る名作でやはり最近の 『Pretty Sweet(2012年)』、『Wet Dream(2014年)』などが有名で紹介したいとこですが、今回はこの『Mouse』を選びました。
オープニングも着ぐるみを着たネズミがストリートでスケートしてるとこから始まり、ジェロン・ウィルソン、ショーン・シェフィー、ショバンテターナー、ルディ・ジョンソン、マイク・ヨーク、チコ・ブレネス、リチャード・マルダー、キーナン・ミルトン、そしてエリック・コストン、ガイ・マリアーノ、マイク・キャロル、リック・ハワードと悪い内容なわけがないですよね。フィッシュアイレンズの効果もあり、味のある雰囲気が終始続きます。
そしてやっぱりBGMもオシャレ。彼らのライディングとストリートの雰囲気を引き立ててくれるチョイス。クイーン、ボブ・ドロー、ジョン・バリー、クリス・メイフィールド、ボブ・ジェイムズ、アース・ウィンド・ファイヤー、ロイヤルフラッシュ、ノラ・ジョーンズなどとてもスキルフルなパートばかりなのでこちらのチェックして見たください。
当時の様子やファッションもこの映像でチェックできると思います。これらを踏まえて2000年代へ入ります。もっともっと洗練されたファッションが進む第五世代ストリートです。