shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

vol.2 スケートファッションと音楽のお話 - 【第二世代 -1970年代】VANSやジェイ・アダムス、トニー・アルヴァ、ステイシー・ペラルタ

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今、「サーフケート」とよばれるサーフスタイルのライディングのひとつもこの70年代が源流。この年代初期にスケートボード本体の性能、パーツのクオリティが飛躍的に安定しました。この発達でスラローム、ダウンヒルがブームに。時期を同じくしてカリフォルニア、ベニスビーチにあったゼファー(サーフショップ店)。ここに集まっていた悪ガキによって結成されたのが、みなさんも知っている「Z-BOYS」。今日のオールドスクールブームの原型。オリジナルネイターですね。

メンバーはリーダーのジェイ・アダムスを中心に12人の構成。

  • ジェイ・アダムス
  • トニー・アルヴァ
  • ショウゴ・クボ
  • ボブ・ビニアック
  • ネイサン・プラット
  • クリス・ケイヒル
  • ジム・ミュアー
  • ステイシー・ぺラルタ
  • アレン・サーロ
  • ペギー・オキ
  • ウェンツル・ラムル
  • ポール・コンスタンティノウ

ベニスビーチのダウンタウンで超絶治安が悪いところでこのチームは生まれます。現在のスケートのラディカルな思想、アングラ感な雰囲気はこの時代の彼らのDNAをしっかり今も引き継いでいるからなのかもしれないですね。

スケートスタイルは当時主流となっていたフリースタイルとは一線を画し、サーフィンのテクニックを取り入れた新しいスタイルを確立していきます。体を低く、圧倒的なスピードでのライディングが特徴的で地面に手をついたターン、水を抜いたプールでの滑りなど現在のエクストリームスポーツと言われているスケートボードの礎になっています。

ちなみに個人的にはジェイ・アダムスが好き。ペンドルトンのシャツとジーンズ、そして例のデッキにしゃがみこむような低い姿勢のライディングをしている有名な写真があります。かっこいいし、今でもペンドルトンシャツがすきでムダに何着も買ってしまうし・・

この時代、Z-BOYSはストリートシーンを牽引し、若者のファッションアイコンになっています。彼らのファッションスタイルは間違いなく現代のファッションにも影響を色濃く残していると思います。VANSもこの時期にトニー・アルヴァが履いていますよね。オーセンティックのみだったVANSはスケートラインに初の「エラ」を発売します。これもこの時代からあったんですよ。

 

ちなみに日本ではABC-MARTが1994年から販売権を取得し、日本でも一気に普及することに。いい意味でも悪い意味でも誰でも履ける大衆性のあるブランドになっていますよね。サーファー的なスタイルを残しつつ当時のロックやファンクなど音楽シーンを感じさせつつ。「ネルシャツ×デニム×VANS」が板につき始めてきたのも70年代後期くらいかなと。ロングソックスにショーツスタイル、ノースリーブのTeeシャツもやはり彼らがお手本かなと思います(多分)。

全てではないと思うけど、この時代のマイナーブランドの普及や近年の90年代リバイバルやいつも当たり前にみんな着用しているVANSにもルーツは必ずあって、それを理解しないとずっと好きでいられないし、せっかくのかっこいいブランドを「あのとき履いてたな・・」っていう消費のみで終わらせるのを回避できると思うんですよね。

ジェイ・アダムスのペンドルトンシャツとデニム、アルヴァのエラ。

今も色あせない良い服、くつです。

『ロード・オブ・ドッグタウン』というスケーターにとってはマストな映画があるので見てみてください。この映画はステイシー・ペラルタが脚本を書いていて当時の様子をリアルに再現しています。街並み、ファッション、スケート、当時の彼らの見た目まで忠実に再現されており、内容も良いのですが音楽も◎。ぼくはサントラも買いましたよ。参加ミュージシャンもソーシャル・ディストーション、フォガット、スウィート、テッド・ニュージェント、T.レックス、ディープ・パープル、ロッド・スチュワートなどロックメインの構成ですが、かなりのかっこよさ。映画見なくてもこのサントラのみでも満足できそう。機会があれば合わせて体験してみてください。

 

1975年のZ-BOYS発足から時間も流れ、彼ら個人にも変化が見られるように。

メンバーのひとり、ステイシー・ペラルタ

後世に強い影響力を及ぼすBones Brigade(ボーンズ・ブリゲード)がスタートし、熱くファッショナブルでロックな1980年のはじまりはじまり。ビッグネームとなるトニー・ホーク、クリスチャン・ホソイなどもこの時代から台頭してきますよ!!   

 

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