shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

読書を楽しもう - お出掛けのおともに

北海道の2月としては道路に雪も少なく先週と打って変わり外出しやすくなってきました。しかし相変わらずキンキンに冷え込み寒い毎日。そして今回も本の紹介!でわでわ。

 

 

『obscure city pop cd's 1986-2006』lightmellowbu

こちらはディスクガイド。「オブスキュア・シティポップ」っていうジャンルはないんですが、この本では要はサブスクに上がっていない、 CDでしか聴くことのできない盤のディスクガイドになります。主に1986年からのシティポップと形容されるジャンルに絞っているものになり、現在のデータ化した音楽ではなくディガーたちがブックオフの250円コーナーなどからガサガサ選んだ名盤・奇盤512枚をピックしています。現在のネット上の音楽やサブスクを否定しているわけではないと思うけど、こだわりやアンチな思想が伝わってくる最近にないいい本だと思いました。単純にシティポップののまだ知らないアーティストを知ることができるし、ステキなジャンルですしね。結構読み応えがあり、CD屋さん、もしくはブックオフに行きたくなるような音楽好きにうってつけのディスクガイド。

 

『シューゲイザー・ディスク・ガイド』佐藤一道・黒田隆憲

またディスクガイド。しつこくてすみません。でもシューゲイザーだけのガイド本ってこの1冊だけだと思うし、内容もGOOD!!紹介させてもらいますよ。

「シューゲイザー」この言葉は聞き慣れない方の方が多いと思います。代表するバンドはマイ・ブラッディ・ヴァレンタインやライド、スローダイヴ、 ザ・ヴァーヴが有名。1990年代にイギリスにてこの手のバンドがブームになりました。足元におびただしい数のペダルエフェクターを置き、それをコントロールし深く歪ませるため常に下を向いて演奏していて、その様子から「シューゲイザー=靴を凝視する人」と呼ばれたことが由来とされています。サイケ感と甘いPOPを融合した音楽スタイルです。日本のシューゲバンドではスーパーカーやルミナス・オレンジ、ゼペット・ストアなども紹介され、ルーツになったバンドではビートルズ、ビーチ・ボーイズなども挙げられています。ぼくはスロウダイヴが好きかな。

 

『スペクテイター〈44号〉 ヒッピーの教科書』エディトリアル・デパートメント

音楽やファッション、必ずついてまわるワード「ヒッピー」。みなさんはヒッピーと呼ばれる人たちがどこで発生し、どういう人たちか、どういうライフスタイルだったか、その思想は・・などぼくもそうですが、全てを理解している人はそうそういないと思います。この本はヒッピー専門書です。今までなかった本じゃないかなと思います。サイケデリアや日本に与えた影響などもしっかり記載。音楽とのつながりやボブ・デュラン、ビートルズ、日本のフォークシーンなどもっともっとカルチャーに造詣深くなれると思います。マンガやイラストも織り交ぜての解説もとてもわかりやすいオシャレな1冊。自分では調べにくい、ビート詩人などもたくさん紹介されていますよ。

 

『スペクテイター〈45号〉 日本のヒッピー・ムーヴメント』エディトリアル・デパートメント

この『スペクター』という雑誌、1999年創刊で最初は『オルタナティヴ・ライフ』というタイトルで常識にとらわれない生き方を選んだ人たちの特集だったらしい。その後も「LOVE AND PEACE」「BACK TO THE LAND」「GROW OUR OWN」などヒッピー系の特集もしていました。前述で紹介した『ヒッピーの教科書』、そしてこの『日本のヒッピー・ムーヴメント』もそういう主旨のもの。前述は海外で発祥した大元の流れでしたが今回のは日本での影響についての内容。この日本でもベトナム戦争以降の反応が確かにあり、ビート詩人、ジャック・ケアルックやボブ・ディラン、ビートルズの影響下、フォーク文化が炸裂します。ウッドストックをモチーフとし最初の野外フェス中津川フォークジャンボリーも間違いなくこのムーブメントの影響下にあると思います。当事者のお話や雰囲気も写真からすごくよく伝わってきます。こちらもマンガやイラスト、写真などをちりばめとてもわかりやすい内容となっています。バックナンバーなのでもしかしたら書店での購入は難しいかも。ディープな昭和を知りたい人のためのリアルな書物です。ぜひ。