shigashiga’s diary

ファッションと音楽のつながりをCDレビューを通して紹介・考察するブログです。

POST ROCK / EMO - キンセラ兄弟

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兄ティム・キンセラと弟マイク・キンセラ、元々1989年キャップン・ジャズ(Cap'n Jazz)からキャリアはスタートします。このバンドのメンバーはサムズリック(Ghosts and Vodka,owls,etc・・)、ティム・キンセラ、マイク・キンセラ、デイビー・ヴォン・ボーレン、ビクター・ヴィラリールの5人。ジャンルで言えば”エモ”。ポストハードコアな音をだしています。JADETREEから2枚のコンピ盤『Analphabetapolothology』が出ているのでこちらもぜひ聞いてみてください。歌詞カードで若き日の彼らが見れますよ。

tower.jp

 

このバンド解散後、キンセラ兄弟をはじめ他のメンバーも全ての作品を網羅するのは無理なんじゃ・・というくらいおびただしい量の作品群を作っていくことに。とにかく関連作も多いし、ソロプロジェクトや仲のいい友人たちと作った作品など一過性のバンドも多いのですが、どれも内容は間違いなしの優れものばかり。

 

母体となるCap'n Jazz解散後、マイク・キンセラはザ・ワン・アップ・ダウンステアーズ(THE ONE UP DOWNSTAIRS)というバンドをはさみ、アメリカン・フットボール(American Football)を結成。同名の1stアルバムの1曲目”Never Meant”はこのアルバムの印象を決定づける大名曲です。キレイな旋律と耳ざわりのいいアルペジオ。とても感傷的な曲です。アメリカンフットボールと言えばこの曲を連想する人も多いのではと思います。きらいな人はいないんじゃないかなと。ジャンルでいうとインディロックに入るのかも。スロー・ミディアムテンポの曲のバランスよくつくられています。ボーカルもしっかり入っています。インストバンドがちょっと・・という方にもうってつけです。

 

ちなみに、ザ・ワン・アップ・ステアーズ解体後、ブレイドの初期のドラマーと他のメンバー2人はベリー・セクレタリー(Very Secretary)を結成。

 

Cap'n Jazzは解散後大きくふたつに別れています。

一方はキンセラ兄弟とサムズリックとエリックボセク、ジェレミーボイルを加えて、1996年にジョーン・オブ・アーク(Joan of Arc)を結成。その後、サムとエリックはゴースト・アンド・ウォッカ(Ghosts and Vodka)として活動。2年弱の短命なバンドでしたが、その後インストバンド、ポストロック界隈に与えた影響はかなり大きいと言われています。そしてこの時期からティム・キンセラが前述のアメリカンフットボールの活動をはじめています。

 

 

もう一方ではデイビー・ヴォン・ボーレン(v/g)、ジェイソン・グネーウィッカウ(g)、ダン・ディディア(ds)、スコット・べシュタ(b)と共に4人組バンドプロミスリング(The Promise Ring)を結成。このバンドの1st『30 Degrees Everwhere』をJADETREEより発表。プロミスリングの作品はどれも習作ばかり。2nd『Nothing Feels Good』、3rd『Very Emergency』。この間に数枚の EP、ミニアルバムも残してますが、ラストアルバム『wood/water』などエモ・ロック史に残るド級の名盤となっています。

 

前述で紹介し忘れていましたが、Cap'n Jazz活動中にティムはブレイドに在籍していたボブ・ナンナとヘイマーケット・ライオットのケビンとスカイ・コーヴェア(The Sky Covair)というバンドもやっていました。変連リズム、ギターリフも複雑、ティムのボーカルも焦燥感があり、個人的には好きな感じです。こちらもぜひ聞いてみてください。

 

他にもマイク・キンセラがオーウェン(Owen)名義の同タイトル『Owen』やティム・キンセラが率いるフレンド/エネミー(Frind/Enemy)の『10 Songs』もなかなか。フレンド/エネミーはヘラ(Hella)、90デイ・メン、キャリフォン、サニーデイリアルエステイトのメンバーも参加している実験的なインストメインのバンド。

サムズリックのやってるアウルズ(Owls)もおすすめ。こちらの1st『Owls』はスティーブ・アルビニ録音です。”Everyone Is My Friend”は大名曲。

 

 

 

今回はここまで。