前回、『90’sグランジ・オルタナティブと呼ばれたバンドと名盤10選』という記事を紹介しました。その第2弾!!グランジ・オルタナ系のディスクを紹介していきます!!
- ①Rage Against the Machine -『Evil Empire』
- ②Liz Phair(リズ・フェア) -『Exile in Guyville』
- ③Quicksand -『Manic Compression』
- ④Green Day -『Dookie』
- ⑤Guided By Voices(ガイデッド・バイ・ヴォイシズ)-『Bee Thousand』
- ⑥Converge(コンヴァージ)-『Petitioning the Empty Sky』
- ⑦ELLIOTT SMITH(エリオット・スミス)-『ELLIOTT SMITH』
- ⑧Soundgarden(サウンドガーデン)-『Superunknown』
- ⑨BLONDE REDHEAD (ブロンド・レッドヘッド)-『In an Expression of the Inexpressible』
- ⑩The Smashing Pumpkins(スマッシング・パンプキンズ)-『Gish』
- 最後に
①Rage Against the Machine -『Evil Empire』
ジャンルは一応ミクスチャー。 代表作は1992年発売のバンド名と同タイトルのアルバム『Rage Against The Machine』。このあまりにも有名な1stアルバムだと思うんですが、個人的に好きなのは今回紹介する2ndアルバム『Evil Empire』。
前作に負けず劣らずハイトーンでたたみかけるザック・デ・ラ・ロッチャのボーカル。
殺傷力高めなリフを叩き込むトム・モレロのギターは痺れまくります。
バンドの姿勢は政治的で反体制だし、サウンドからはその怒りや思想が伝わってきます。
内容も悪いわけがない!!ちなみにプロデューサーはストーン・テンプル・パイロッツ、コーン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどの仕事で知られるブレンダン・オブライエン。そしてミックスはアンディ・ウォレス。ニルヴァーナ、リンプ・ビズキット、リンキンパークなどで有名です。まだレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを聴いたことのない方、1stアルバムしか試していない方、ぜひ聴いてみてください!!
②Liz Phair(リズ・フェア) -『Exile in Guyville』
1993年発表。この時期、P・J・ハービーなどの活躍もあって女性シンガーがセックスや性的な詞を赤裸々に歌うスタイルが注目されたんですが、このリズ・フェアの1stアルバムもその系譜だと思います。サウンドは初期のエリオット・スミスに通じる感じ。最小限のバンドサウンド、ザラついたローファイ感もあります。マタドールレコードというアメリカの老舗のインディレーベルからこの1stアルバム『Exile in Guyville』はドロップされていてます。プロデュース陣も後にシカゴ音響系の一端を担うブラッド・ウッドとケイシー・ライスのふたり。
この時の彼女は26歳でミュージシャンとしては遅咲きかもしれないけど、虚飾のない歌詞やときに醸し出すアイロニーな感覚もとても素晴らしく女性シンガーソングライターが好きな方におすすめのアーティストです。ちなみに、なかなかの美人さんでもあります。
③Quicksand -『Manic Compression』
1995年発表。ゴリラ・ビスケッツというニューヨークハードコアバンドのボーカル、ウォルターが始めたポストハードコアバンドの2ndアルバムでラストアルバム。これは超名作。
サウンドはうねる様な激しさとハーモニクスを多用したソリッドな音が全体を支配しています。個人的にはフガジと同じレベルだと思っています!1stも激シブなので試してみてください。ワートン・ティアーズとドン・フューリーのプロデュース。多少マイナーなバンドですがパンクやメタルが好きな人におすすめの1枚。
④Green Day -『Dookie』
もはや説明不要の大名盤。Green Dayの1stアルバム。これを入れるのはどうかと思ったけどやっぱりかっこいいので!!おおすすめは5曲目「Welcome To Paradise」、7曲目「Basket Case」。
ウッドストックでのライブ、ロラパルーザなどをみてもやっぱりスゴイ。彼はメジャーデビューアルバムでビルボード2位。2011年までの調べで1,500万枚も売れているモンスターアルバムでもあります。最近は洋楽離れが進んでいるそうですが、今こそこのメロコアとパンクスピリットを感じてください!!
⑤Guided By Voices(ガイデッド・バイ・ヴォイシズ)-『Bee Thousand』
1994年の作品。ほとんどの曲が2分前後でとても聴きやすく、ローファイ感もすごくいいです。本作は7作目で初期の代表作でもあります。ジャンルはロック。オハイオで教師をしていたロバート・ポラードが仲間内で楽しむためのパーティバンドとしてスタート。マイペースに自宅録音を重ね、完成した音源を身内や友人に配り、それが評判を呼び、徐々に本格的に。歴史の影に隠れて目立たないバンドですが、ロック好きな人たちからの評価も結構高めです。その後、USインディーシーンに与えた影響はかなり高いと思います。ドライブのときにも合いそうな雰囲気。
⑥Converge(コンヴァージ)-『Petitioning the Empty Sky』
マサチューセッツの激ハードコアバンド。デスメタルフレーバーのニュースクールハードコアサウンドで時折見せる静寂さが不穏感を与え、そこにカオティックなエモシーンが混ざり込む、ものすごくかっこよくてうるさいバンド。『Petitioning the Empty Sky』
は1996年発売の2ndアルバム。イコール・ヴィジョンレコードというレーベルからのドロップです。
この手のジャンルは今でも人気があって、近いところだとザ・デリンジャー・エスケイププラン、アイシス、ボッチ、ケイヴ・インなんかと親和性が高いかもしれないです。代表作に『Jane Doe』という大名盤があるのですが、今回はこっち。2ndの方が若干聴きやすい気がするので選びました。メンバーのジェイコブ・バノン(Vo)とカート・バロー(G)が中心となったスカッとするくらい激しいエクストリームハードコアバンドです。激情な音ですね。うるさい!!
⑦ELLIOTT SMITH(エリオット・スミス)-『ELLIOTT SMITH』
アコースティックなかっこいい曲がずらりと並ぶアルバム。元はヒートマイザーというバンドのボーカル。本作と次作『Either / Or』が彼の代表作でキル・ロック・スターズレコードというインディレーベルからのリリースになります。まだ今のようなおしゃれな都市じゃなかった頃のポートランドでヒートマイザーと並行しながらひっそりと宅録を続け、当時流行し出回っていたケバケバしいオルタナバンドが無価値に思えるくらいに、フラジャイルな歌とDIYな音作りでオリジナリティを発揮しています。今回紹介している90年代はどうしてもニルヴァーナ中心に語られがちですが、日の目を見ることができなかったけど、素晴らしい活動をしているクオリティの高いアーティストもたくさんいました。ELLIOTT SMITHもそのひとり。素敵な曲が多いので今作『ELLIOTT SMITH』と次作『Either / Or』、合わせてチェックしてみてください。
⑧Soundgarden(サウンドガーデン)-『Superunknown』
シアトルのロックバンド。個人的にはSSTレコードから出している『Ultramega OK』の方が好きなんだけど、今回は彼らの出世作でもあり当時のアルバムチャートでも1位をとった『Superunknown』をおすすめします。サウンドスタイルはわかりやすくいえば、ニルヴァーナ、ジェーンズ・アディクション、パール・ジャムなどみられる王道オルタナロックバンドです。このアルバムの特徴は英国ロックにインスパイアされていてレッドツェペリンの様な骨太な演奏と、ビートルズの持っているメロウなメロディを併せ持っていること。とてもかっこいいです。ニルヴァーナのカート、パールジャムのエディ、そしてサウンドガーデンのクリス・コーネル(Vo)はこの時代のカリスマだと思います。ロック好きにぜひ聞いてほしい推薦版です!!
⑨BLONDE REDHEAD (ブロンド・レッドヘッド)-『In an Expression of the Inexpressible』
1998年にタッチ・アンド・ゴーレコードからリリース。通算4枚目のアルバム。今作からフガジのガイ・ピチョットがたずさわっています。サウンドはソニック・ユースを速くした感じと例えられることが多いみたいですが、実際そういったフレーバーもありつつ激しいギターノイズもあり、DNAというバンドの曲名からバンド名を付けただけあって、ノーウェイブ直系のアートパンクな印象もあります。ニューヨークのバンドでメンバーは日本人女性のカズ・マキノとマキ・タカハシ、そしてイタリア人の双子アメデオ兄弟によって構成。カズ・マキノの声はひたすら耽美で不思議な色気を放っています。
⑩The Smashing Pumpkins(スマッシング・パンプキンズ)-『Gish』
1991年8月にドロップされたんですが、同年9月に発売されたニルヴァーナの『Nevermind』のインパクトによって完全にかき消されてしまって、スマパンの代表作は次のアルバム『Siamese Dream』となっているんだけど、『Gish』は普通に最高傑作です!!『Nevermind』同様、プロデューサーはブッチ・ヴィグでキャロラインというインディレーベルから出しています。メンバーはビリー・コーガン(Vo)、ジェームス・イハ(G)、ダーシー・レッキー(B)、ジミー・チェンバレン(Dr)。サウンドはニルヴァーナやマッド・ハニー、ソニック・ユースが好きな人だと絶対ハマるはず!!ジミー・チェンバレンの激烈ドラムを中心にうねるようにドライブするアンサンブル、ビリー・コーガンのちょっと変なクセになるボーカルもカッコよし!!サブスクでも中古CD屋さんでも手に取りやすい状態にあるのでぜひ試してみてくださいね!!
最後に
今回はこんな感じの名盤紹介でした。作品一つひとつの内容もいいのですが、ジャケットのアートワークやその時代の雰囲気がまとわりついているオルタナティブロックはやっぱりかっこいいですね。90年代のこの近辺のバンドをもう少し紹介しつつ、今後はHIP HOP、昭和フォーク、JAZZ、CITY POPなんかも掘り下げていこうかなと思います。この記事を書いている今、北海道はまだ10月なのにダウンジャケットを着ても差し支えないくらいの気温まで下がっていてとても寒いです。今回レビューした様な元気な音楽を聴いて耐え忍ぶことにします。